
「投資の知識がないと始められないのでは?」
「NISAってよく聞くけど、実はよくわからない…」
そう感じている方は、決して少なくありません。
NISA(ニーサ)は、投資で得た利益に税金がかからない制度で、将来に向けてお金を備える手段として、注目が高まっています。
一方で、仕組みがわかりにくく、「難しそうだな」と感じて、なかなか最初の一歩を踏み出せない方も多くいます。
この記事では、NISAの基本から始め方、注意点までを、専門用語をできるだけ使わずに、わかりやすく解説していきます。
「NISAってなに?」という疑問から、「NISAってこういう制度なんだ!」に変わるよう、ぜひ最後までお読みください。
小中悟(こなか さとし)
「Webライターの手帖」管理。フリーランス歴8年目。年商5,000万円の会社を一人で運営中。証券外務員1種、金融リテラシー検定・FP2級を保持。Webライターと金融に関する記事をわかりやすく執筆することを心がけている
1.NISAとは?非課税で資産を育てる用意をする

1-1.NISAとは?
1-2.NISAは2つの投資方法がある
1-1.NISAとは?
NISAとは、「少額投資非課税制度」の略称です。
2014年に始まった、投資で得た利益に税金がかからない仕組みです。
通常、株式や投資信託などで利益が出ると、約20%の税金がかかります。
たとえば、100万円の利益が出ても、実際に手元に残るのは80万円。
ところが、NISAの制度を利用すれば、この税金がかかりません。
100万円の利益は、100万円のまま受け取ることができます。
投資で得た利益をどう守るか。
税金のある・なしで、将来の資産は思いのほか差が出てきます。
だからこそ、NISAは、これから投資を始める人にとって、強力な選択肢になるのです。
1-2.NISAは2つの投資方法がある
2024年から、NISAの制度が見直され、投資方法が次の2つに整理されました。
- つみたて投資枠:毎月、一定の金額を積み立てていく方法です。年間120万円までの投資で得た利益は、非課税になります。
- 成長投資枠:任意のタイミングと金額で投資を行う方法です。年間240万円までが非課税の対象です。
この2つの投資枠は、同時に使うことができます。
あわせて年間360万円までの投資で得た利益が、非課税となる仕組みです。
2.NISAを始めるまでの3ステップ

2-1.金融機関を選ぶ
2-2.口座開設の申し込み
2-3.投資商品を選び、運用を始める
2-1.金融機関を選ぶ
まず、専用の口座を開設する必要があります。
口座は銀行や証券会社など、さまざまな金融機関が取り扱っています。
取引できる商品や手数料、入出金のしやすさなどから比較して、自分の生活スタイルに合った金融機関を選んでおくと、使い勝手に困る場面が減ります。
2-2.口座開設の申し込み
口座開設の申し込みには、本人確認書類とマイナンバー確認書類が必要です。
現在では、オンラインでの申し込みができる金融機関も増えていて、自宅にいながら手続きが進められます。
申し込みが完了すると、1〜2週間ほどで開設完了の通知が届くのが一般的です。
2-3.投資商品を選び、運用を始める
口座の開設が完了したら、投資商品を選んで運用を始めることができます。
成長投資枠は、上場株式やETFなど、幅広い選択肢の中から選べます。
つみたて投資枠では、金融庁が定めた基準を満たした投資信託の中から選べ、月100円の少額から投資を始められます。
一度設定しておけば、自動で積み立てられるため、日々の管理に手間をかけずに済みます。
3.NISAの注意点

3-1.保有中も費用が発生する
3-2.非課税枠はすぐに再利用ができない
3-3.SNSの人気商品で飛びつくのは危険
3-1.保有中も費用が発生する
NISAで購入できる投資信託には、「信託報酬」と呼ばれる運用コストがかかります。
これは商品を保有しているあいだ、毎年一定の割合で差し引かれる仕組みです。
たとえば、以下の2つの投資信託があります。
- インベスコ 世界厳選株式オープン(信託報酬が約1.9%)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(約0.06%)
この2つを比べると、毎年の運用コストに1.84%の差が出てきます。
仮に、毎月3万円を20年間積み立てた場合、信託報酬だけで150万円を超える差が出る計算になります。
見えにくいコストだからこそ、購入する前に確認しておきたいところです。
3-2.非課税枠はすぐに再利用ができない
NISAでは、非課税枠を使って購入した商品を売却しても、その分の枠がすぐに復活しません。
たとえば、年間240万円の成長投資枠を使い切ったあとに100万円分を売却しても、空いた分を同じ年に再利用することはできません。
繰り返し売買を行うと、非課税枠をすぐに使い切る可能性があります。
だからこそ、時間をかけてじっくり運用することで、NISAの特性をより活かしやすくなります。
3-3.SNSの人気商品で飛びつくのは危険
SNSで話題になっている商品が、必ずしも自分にとって良い選択とは限りません。
特に、「年率10%」「1年で2倍になる」といった高いリターンをうたう商品は、値動きの幅も大きく、価格が急落するリスクも抱えています。
人気や噂に左右されず、自分の目的やリスクの許容に合った商品を選ぶこと。
冷静に運用を続けるためにも、そうした判断が欠かせません。
4.まとめ

NISAは、投資で得た利益が非課税になり、月100円からでも始められる制度です。
老後の生活を見据えて、自分の力で資産をつくる。
そんな意識が求められる時代になってきました。
非課税という制度の強みを活かしながら、時間をかけてじっくり資産を育てていく。
NISAは、そのきっかけとなる制度だと言えます。